高周波アナログ半導体ビジネス研究会

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第80回 アナログ技術トレンドセミナ(HAB研セミナ)報告

    



□ テーマ:「我国半導体産業の未来像を展望する2」
□ 日 時: 令和7年10月22日(水)14:00 ~17:00
会 場:京都テルサ ※ Web(Zoom)配信あり


 我国の半導体産業復活に向け、経済産業省が策定した半導体・デジタル産業戦略の下、様々な国家事業が始まっている。既にTSMC熊本工場の稼働が開始、北海道を拠点とするRapidusの最先端半導体プロセスも順調に立上げが進んでおり、経済安全保障の観点からも国内半導体産業の動向が大いに注目されている。
 今回は、令和5年10月に「我国半導体産業の未来像を展望する」というテーマで開催したセミナの第2回として、経済産業省 半導体・デジタル産業戦略検討会議の委員である熊本大学 若林教授と国際技術ジャーナリスト 津田建二氏を招き、我国の半導体産業戦略、半導体市場・業界動向に関して最新の状況を講演頂いた。
 セミナには会場に22名、リモートで19名の方々が参加し、活発な議論・質疑応答が行われた。
 以下、講演の概要をまとめる。

◆基調講演「半導体産業の復活、最後で最大の機会~生成AIとチップレットの影響」
             若林 秀樹 氏(熊本大学 半導体・デジタル研究教育機構 卓越教授) 
 若林教授から自らの経歴と現在活動している熊本大学 半導体・デジタル研究教育機構の活動内容が紹介された。現在は半導体・デジタル産業戦略検討会議での有識者としての活動に加え、JEITA半導体部会やNEDO技術委員として半導体業界に強く関わっている。講演では、半導体のサプライチェーンを考える上で、いわゆる後工程を担当するOSATやEMSの重要性が強調され、研究開発・事業化加速に向けてのOSAT業界団体設立や関連する政府資金の概要が紹介された。生成AI普及に伴うデータセンターの拡大、これを支えるチップレット技術の台頭はサプライチェーン・エコシステムを考える上で大きな変革点であり、国内半導体産業のチャンスでもある。必要な取組みとして、センサ・光電融合・先端ロジック・メモリを含む「新Japan垂直統合」により生成AIに向け多品種少量チップ製造の実現が提案された。最後に地政学の視点から、米国・中国・台湾・韓国・日本の棲み分けが論じられ、日本の強みを活かしたビジネス拡大への期待が示された。

◆講 演「半導体需要の大変革期に:PC、モバイル、そしてAI時代へ」
            津田 建二 氏 (国際技術ジャーナリスト News&Chips編集長、セミコンポータル編集長)
 津田氏より、半導体業界の変化とグローバル各社の成長動向が説明された。成長のドライバーとしてAIデータセンター向け半導体が注目され、成長は2030年まで続くこと、関連半導体の開発製造で強みのあるNVIDIA、TSMC、SK Hynixの成長が著しいことが示された。生成AIの進展を振り返り、2012年のGPUを用いたニューラルネットワークの提案と画像認識での実証が、大きなビッグバンとなったことを紹介した。NVIDIAの好調継続が予想される中、スタートアップの活動も加速している。また国内でもRapidusが予定通りテストチップの動作を確認、東京大学・TSMC共同ラボが発表される等、キャッチアップに向けての動きが加速している。日本におけるAI 研究の方向性として、メカトロニクス・ロボティックス・自動車分野におけるAI 導入の重要性が強調され、先端パッケージング技術開発加速の必要性についても言及された。

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