高周波アナログ半導体ビジネス研究会

セミナー報告 ≫第51回セミナー(30.05.09)
第51回 アナログ技術トレンドセミナ(HAB研セミナ)報告

       


□テーマ:「京都発技術ベンチャーの紹介」
□日 時: 平成30年5月9日(水)14:00~17:00
□場 所: 京都テルサ 西館3階 第2会議室 (京都府民総合交流プラザ) 


 最近、再びベンチャーの取り組みが活発になっている。しかし10-20年後の日本を支える新しい産業基盤を創るには、我国の技術ベンチャーへの取り組みをもっと活性化する必要があるのではないだろうか。
 そこで今回のセミナでは、従来の新技術トレンド情報の紹介に加え、注目すべき技術ベンチャー情報の紹介を、テーマとして取り上げることにした。
 まず今年度は、「京都発有望技術ベンチャーの紹介」をテーマに、有力な技術ベンチャーを輩出している京都近辺の面白い技術ベンチャー3社の紹介を行った。いずれも独自のコア技術を基に、新産業創出に挑戦されている技術ベンチャーで、最新のトレンド情報を共有することができた。参加者から、活発な質疑、討論が行われた。またセミナ終了後の交流会でも、講師を囲んで事業連携の可能性等、熱心な意見交換が行われた。

 以下、講演概要を報告する

◆講演:「ナノセラミック分離膜を活用した次世代型グリーンエネルギープロセスの開発と事業化」
     澤村 健一 氏 (イーセップ株式会社 代表取締役社長)
 イーセップ(株)はナノ多孔質セラミックによる膜分離技術を用いて、化学プロセスにおける成分の分離工程の省エネ化を行うシステムの設計、開発、販売等を事業として2013年に設立された。膜分離技術は、蒸留や吸着による他の方式に比べ簡易化、省エネ化に効果がある。細孔径1~10nmを持つナノセラミック分離膜の形成技術に強みがあり、現在は分離膜を形成した基材が事業化の中心で、溶剤脱水膜については量産化、水素分離膜、CO2分離膜については開発中とのことであった。膜分離技術は将来の化学・石油産業のプロセスを簡略化し、エネルギー消費を劇的に削減することができる有望な技術であり、コア技術であるセラミック製機能性分離膜の製造とその活用機器に焦点を置き、水、水素、CO2の分離分野に注力しセラミック分離膜事業の拡大を目指す意気込みが示された。

◆講演:「中赤外レーザーを用いた非侵襲血糖値センサーの開発」
     山川 考一 氏 (ライトタッチテクノロジー株式会社 代表取締役社長)
 ライトタッチテクノロジー(株)は量子科学研究開発機構で開発されたレーザー技術をもとに、最先端レーザー機器の開発、製造、成分分析の受託評価を事業として2017年に設立された。現在注力しているのは、光パラメトリック発振器を用いた中赤外光(波長7~10μm)レーザーによる血糖値センサー(測定器)の事業化である。中赤外光レーザーを用いた血糖値センサーの原理、他の方式との比較、従来の採血型血糖値センサーとの比較検証の結果等について説明された。この血糖値センサーは、従来のような採血が不要で、体を傷つけず(非侵襲)、指先を光にかざすだけで測定が可能であるため、糖尿病患者の診断だけでなく、将来は個人の健康管理への展開が期待され、デスクトップ型から、ラップトップ型、さらにはモバイル型への事業展開の計画が示された。

◆講演:「苦役を無用とするために、人型重機を実装する」
     金岡博士  (株式会社人機一体 代表取締役 社長)
 (株)人機一体は人と機械の相乗効果によって、人間のみ、あるいは機械のみでは実現できない機能を実現する‘人型重機’を事業化する会社で、2007年に設立された。注力している‘人型重機’は、人に新たな外部身体をインストールしたような機械装置で、人が直感的に操り、人間の力をはるかに凌ぐ強大な力を持つロボットのことである。コア技術は、ロボット制御技術、人とロボットを繋ぐ技術、master-slave技術であり、これらを統合した試作機の開発が続けられている。従来の重機やロボットとは違うアプローチで、過酷な作業現場や危険地域等の極限環境において実用化を目指す一方で、ロボットアトラクション等、エンタテインメント分野にも応用することを計画しているとのことで、社会実装に向けての思いが語られた。


このぺージを閉じる

HAB研究会


NPO法人高周波・アナログ半導体ビジネス研究会 〒601-8047京都市南区東九条下殿田町13 九条CIDビル102 ㈱アセット・ウィッツ内
Tel. 075-681-7825  Fax. 075-681-7830   URL http://www.npo-hab.org